2008年1月29日火曜日

ベルシャザルの饗宴

レンブラントが描いた「ペルシャザルの饗宴」(Belshazzar's Feast)を理解するためには、旧約聖書と古代史の知識が必要です。

この絵の主人公ベルシャザルの祖父ネブカデネザルは、紀元前605年に軍隊を指揮しエジプト軍を打ち破り、エジプト人を南へ追いやり、シリヤとパレスチナをバビロニアの勢力圏に入れ、バビロニアを大国へと導きました。

エルサレムはバビロニアに包囲されて、ユダは隷属的な状況に置かれることになり、このときに神殿の貴重な器具の多くが献上品としてバビロンへ持ち去られます。また、預言者ダニエルを含むユダの人々が捕虜となって連れていかれました。これは「バビロンの捕囚」として、聖書に出てきます。
その後も
ネブカデネザルはエルサレムを2度包囲し毎回捕虜を連れ帰っており、やがて紀元前587年頃にはエルサレムを壊滅させてしまいました。

ネブカデネザルは、その後預言者ダニエルの影響を受けて、神を信頼するようになりますが、彼の死後跡を継いだベルシャザル王は先代への反感から、神を遠ざけ、ダニエルを遠ざけるようになります。ベルシャザルは祖父がエルサレムから略奪した金銀の器でワインを飲み、神を崇めようとはしませんでした。すると、そこに人の手の指が現れて、壁に字を書き始めました。恐怖で青ざめ、文字の意味が分からないのでうろたえる王のために、王妃の進言によって、ダニエルが呼ばれます。メネ・メネ・テケル・ウパルシン~王の罪は軽量され、終わりの日が来て、王は裁かれ、国は滅亡する~と書かれていました。

そして、その夜バビロンを急襲するために軍を進めていたメディアのダリヨスによってバビロンは陥落し、ベルシャザル王は殺されたのでした。紀元前539年のことです。

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