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シティー市役所が管理するギルドホール・アート・ギャラリーには、19世紀の絵画を中心に250点の作品が展示されています。
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まず、シティーのアート・ギャラリーらしいなと思うのが、ヴィクトリア時代のロード・メイヤー・ショーの様子を描いた11月9日(The ninth of November)という作品です。現在は11月第2土曜日に行われているロード・メイヤー・ショーですが、昔は11月9日と決められていたのだそうです。100年以上前に描かれた絵ですが、背景の王立取引所も英国銀行も今と全然変わっていませんね~。
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現在ギルドホール美術館では、ワッツ(G.F.Watts)の特別展が行われています。代表作の希望(Hope)も、4月26日までギルドホール美術館で鑑賞することができます。この絵には目隠しされて地球の上に座り、一本の弦を残すだけになった竪琴を弾いている女性が描かれています。必死に耳を傾けて、残った一本の弦から生まれるすべての音を聞き逃すまいとしています。人は絶望の中で希望を強く意識します。とても深くて美しい作品だと思いませんか?
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奥に進むと「The Defeat of the Floating Batteries at Gibraltar」という、1782年9月のジブラルタル沖の戦いの様子が描かれた絵があります。英国で一番大きな油絵なのだそうです。
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下の階に降りるとラファエロ前派の作品があります。これはミレイ(Sir John Everett Millais)の二度目の説教(My Second Sermon)という作品です。モデルは作者の娘のエフィー(Effie)です。教会で牧師さんの説教を聴きながら寝てしまった子供の絵に「かわいい~」 という声が聞こえてきそうな作品です。
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レイトン(Frederic, Lord Leighton) の音楽のお稽古(The music lesson)もかわいいですね。設定は16世紀のトルコなのだそうです。43歳でダマスカスに旅行してからオリエンタル趣味になったレイトンは、古代や中東を舞台とした美しい作品をたくさん描いています。
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この絵はギルドホール美術館で一番有名なロセッティ(Dante Fabriel Rosetti)のラ・ギルランダーダ(
La Ghirlandata)です。
アレクサ・ワイルディングをモデルにして、4カ月かけて描き上げました。上部の天使はいずれもウィリアム・モリスの次女メイです。ロセッティの作品では、植物のイメージが画面の中で重要な意味をもつことが多く、花言葉をもとに描かれている女性の性格や人がらを暗示しようとつとめていたようです。![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgM2VgEhtVs_4NPoccCTjWNm-GZQxJBc3Dlqz8YLWDQXfABcrb-V88_edx8rFr9-NssPlSQqB2hFgLgtHOQscNoiy_ji8kkZ5PpB3bbxtKbaHcg1JW56SMdml8bx9nEPCLwbyODOCZCRA-g/s320/op31.jpeg)
この絵はホルマンハント(William Holman Hunt)の聖アグネス祭前夜(The eve of St. Agnes)です。聖アグネスの日の前夜に将来夫になる人物の顔が見えるという伝説を主題にしたキーツの詩をもとに描かれています。男爵の娘のマデラインは、聖アグネス祭の前夜、ポーフィローと出会います。しかし彼女の父親はポーフィローのことを気に入りません。この絵はマデラインとポーフィローが館を抜け出そうとしているところです。マデラインはポーフィローにすがるように手を伸ばし、ポーフィローの方は片手を剣にかけ、もう片方の手で扉をそっと開けています。見張りの男たちは眠り込み、ハウンド犬も大人しくしています。奥の部屋ではマデラインの父親の男爵が酒を飲み、抜け出す二人に気付く者はいません。
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これはミレイ(Sir John Everett Millais)のイザベラ(Isabella)です。リバプールにも同じ絵があります。ボッカチオのデカメロンから、ジョン・キーツが書いた「イザベラ、あるいはバジルの鉢」(Isabella,or The Pot of Basi)lという詩をもとに描きました。メッシナの商人の3人兄弟と1人の妹がいて、妹の名はイザベラといいました。兄弟はロレンツォという若者を雇って店の仕事をさせていましたが、ロレンツォとイザベラは恋仲になってしまいました。この絵はイザベラの家族全員が食事をしている様子です。画面右の手前に座る女性がイザベラで、彼女にオレンジの皿を差し出しているのがロレンツォです。その向かいに腰掛ける3人の男たちが兄たちで、一番手前に座る兄は歯をむきだし、イザベラになつく犬を蹴る仕草を見せています。イザベラは目を伏せ、ロレンツォは彼女だけを見つめています。兄弟たちは相談して、未婚の妹に悪い評判がたたないように、ロレンツォを始末することにしました。ロレンツォを郊外に連れ出し殺して埋め、イザベラにはロレンツォは商用で使いに出したと言いました。いつまで経ってもロレンツォが戻らないのでイザベラが心配していると、ある夜、夢の中に彼が現れ、自分が彼女の兄弟に殺されたこと、自分の遺体が埋められている場所を告げました。イザベラは教えられた場所に行き、掘り返すとロレンツォの遺体が出てきました。イザベラは首を切り取って、布にくるんで持ち帰り、大きな鉢の底に隠してバジルを植え涙で育てました。そして常に鉢の側にいて、さめざめと泣きました。不審に思った兄たちはバジルを引き抜き、中に埋まっていたロレンツォの首を見つけます。兄たちは犯罪の発覚を恐れてナポリに逃げ、イザベラは悲しみが募って死んでしまいました。
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この作品はクリュタイムネストラ(Clytemnestra After the Murder)です。血の付いた斧を持って怖い顔をしていますが、彼女の父はスパルタ王、母はレダ、姉妹には絶世の美女のヘレンがいて、本人はミュケーナイ王妃です。トロイア戦争に出かける際、夫のアガメムノンが娘のイピゲネイアを生贄として殺したことをずっと恨んでいました。トロイ戦争からの凱旋の夜、お風呂でくつろいでいた夫のアガメムノンを殺害しました。斧を何回も振り下ろして・・・。この絵は夫殺害直後のクリュタイムネストラです。
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ちなみに、殺されたのはこの人。
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地下にはローマ時代のコロシアム跡もあります。
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