2014年3月10日月曜日

九日間の女王 ~ ジェーン・グレイ

 今、日本で「9days Queen ~九日間の女王」という舞台が上演されています(3月16日まで)。主演女優さんの事務所から観劇のお誘いを受けたのですが、さすがに演劇を見るためだけに日本に行く財力は私には無いので、今回は諦めました。

「9日間の女王」の主人公ジェーン・グレイ(1537-54)は、へンリー8世の妹の孫としてレスターシャーのブラッドゲート・ハウスで生まれました。10歳の時、当時の上流階級の子女たちが身分の高い貴婦人のもとで社交や礼儀作法を身につける慣習に従い、王太后キャサリン・パーに預けられ、ロンドン・チェルシー宮殿に移りますが、翌年キャサリン・パーは亡くなってしまいます。

そのころ国王エドワード6世の健康状態は日々悪化の一途をたどっていました。ヘンリー8世の遺言に従うと次に王冠を手にするのはエド ワードの長姉メアリですが、カトリック教徒であるメアリが女王になったらプロテスタントである自分は弾圧されるだろうと考えたジョン・ダッドリーは王位継承権 第4位のジェーンに目をつけ、策略を巡らせます。

15歳のジェーン・グレイがダドリーの4男で17歳のギルフォードと結婚式を挙げたダラム・ハウスはストランドにありました。もともとダラム司教の邸宅として14世紀 に建てられましたが、ヘンリー8世により王家の所有となり、エドワード6世の時代に次姉のエリザベスの住まいとなりました。エリザベスが所有していた時代 に、ジェーンが結婚式を挙げていたというのは問題ですね。エリザベスとジェーンはチェルシー宮殿でキャサリン・パーと一緒に暮らしていた時期もあり、後にメアリ1世から陰謀に関わっていたと疑われても仕方ないですね。

結婚式から2カ月しか経っていない7月9日に国王崩御。ジェーンは義父ジョン・ダドリーに国王エドワード6世が遺言で次期女王にジェーンを指名したと伝えられたのでした。

しかし、メアリを支持するカトリック派や反ダドリー派貴族が軍勢を率いてロンドンへ進軍、7月19日に 枢密院がメアリーの女王即位を正式に宣言して、ジェーンの女王の座はたった9日で終わったのでした。

8月22日、首謀者ジョン・ダドリーがタワー・ヒルで公開処刑。 11月14日、ジェーンとギルフォードの裁判が開かれ2人に死刑判決が下されます。翌年2月12日、ジェーンはロンドン塔内で処刑されました。享年16歳と4カ月でした。

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