ハンプトンコート・ガーデンで見る庭園様式

オランダ式庭園様式

プリヴィ･ガーデンとは、王様個人のプライベート･ガーデンのことです。1702年にウイリアム3世のために造られた庭を再現しています。パーティア（刺繍花壇）、アポロ像やヴィーナス像、サン・ダイヤル（日時計）、トピアリー（刈り込んだ木）、ティジュー･スクリーンと呼ばれる鉄製の装飾フェンスなどを見ることができます。

トンネル・アーバー

木をトンネル状に造った構造物で、夏は日陰になりました。

 

オランジェリー

オランダで発達した、オレンジなどの柑橘系果樹を越冬させるために造られた建物で、温室の一種です。メアリ2世は珍しい植物の熱心なコレクターで、世界中から集められた彼女の植物コレクションを収めるために建てられました。夏はオレンジの木は外に出されます。

ノット･ガーデン

16世紀に流行した造園スタイルで、ツゲの木などを使った結び目のようなデザインです。

サンクン･ガーデン

庭を低い位置に作って、高い位置から見渡せるようにしています。ウイリアム3世とメアリ2世の時代は、この庭を使って外来植物のコレクションを展示したそうです。16世紀は鯉などの淡水魚を保管するために使用されていた池だったので、ポンド･ガーデンと呼ばれています。

グレート･ヴァイン

1768年にランセロット･ブラウンによって植えられた葡萄の大樹で、世界最古の葡萄の木だそうです。秋に収穫された葡萄は宮殿内のショップで販売されます。
 

フランス式庭園様式

グレート･ファウンティン･ガーデンは、3本の軸線中心に、刈り込んだ常緑樹によって幾何学的に左右対称にデザインされ、どこからでも眺めが楽しめるように設計されています。大きなイチイの木は300年前にアン女王によって植樹されましたが、もともとは高さ２ｍくらいのものだったそうです。噴水はアン女王の姉のメアリ2世の時代のものです。

ボーダー

ブロード･ウォークという通りの壁沿いに多年草が植えられた花壇は、世界最長です。

カナル（運河）

ロング･ウォーターと呼ばれるカナルは、1660年にチャールズ2世が造らせました。

ホーム･パーク

16世紀にヘンリー8世の狩猟用の敷地として囲まれました。310ヘクタールの公園には300頭の鹿が棲息しています。

ウイルダネス・ガーデン

16世紀は果樹園だったところです。ウィルダネスとは「自然、荒地」という意味で、自然の野原を印象付ける庭園。春は水仙が綺麗です。

ローズ･ガーデン

16世紀のヘンリー8世の時代は、馬上槍試合やレスリングなど各種スポーツが行われた場所ですが、17世紀になると、宮殿に新鮮な野菜を提供する菜園となりました。現在はバラ園になっており、オールド･イングリッシュ･ローズなどを見ることができます。

キッチン･ガーデン

宮殿で食べる野菜や薬草を育てる庭です。

 メイズ（迷路）