2018年9月14日金曜日

マルクスの家② (1856-1864)  46 Grafton Terrace NW5 4HY  


1855年春に妻の伯父、1856年夏に妻の母が相次いで亡くなり、遺産の一部を相続したため、マルクス家の家計は少し楽になります。 

マルクス家はロンドン北部グラフトン・テラス46番地へ引越しました。当時この周辺は開発されていなかったため、不動産業界の評価が低く、安い賃料で借りることができました。ジェニーはこの家について「これまでの家と比べれば、新しい家はお城のようでしたが、足の便の悪い所でした。ちゃんとした道路がなく、雨の日はブーツが泥だらけになりました」と語っています。 
 
マルクス夫妻、3人の娘さん、マルクスが手を出して息子を産ませたというお手伝いさんと6人で住んでいました。大英図書館まではバスで20分ぐらい。資本論第1巻はこの家で書きました。

郊外に引っ越してもマルクス家の金銭的危機は続きました。1857年にはじまった恐慌で、エンゲルスの給料が下がったうえ、原稿数も減り収入が半減しました。1861年に『ニューヨーク・トリビューン』から解雇されると困窮が深刻化しました。金融業者と質屋を回る生活が続き、終わる気配のない困窮状態に夫婦喧嘩が絶えなかったようです。

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