2016年12月27日火曜日

自然史博物館の鉱物ギャラリーは宝石店よりすごい。


鉱物ギャラリーは、1881年の博物館創立時から変わっていません。


部屋の入口にあるのは、オストロ・ストーン
青のオーバルカットの トパーズは、 9391カラットで、20年前にブラジルで採掘されました。その濃い色によって世界に知られている最大のトパーズです。

 一番奥には「金庫」という名の部屋があり、貴重な石が展示してあります。


火星の隕石
1911年にエジプトに落下した隕石。13億年前の玄武岩のマグマから形成された。約1億年前に火星からとび出し、1万年前に地球に落下した隕石群であると考えられています。


金塊(ラトローブ・ナゲット)
1853年に当時英国領だったオーストラリアで発見された金の結晶(crystals of gold)重さ717g。
金は、金鉱石あるいは銅鉱石に多く含まれています。多く含まれているとは言っても、高品位といわれる金鉱石1トンから数グラム程度しか採れないのが普通なのですが、ごく稀にほぼ純金に近い純度を持った「金の塊り」が発見されることがあります。この「天然の金の塊り」のことを、ナゲットと呼びます。ちなみに世界で一番大きな金塊(nugget of gold)は1869年にオーストラリアで発見されたウェルカム・ストレンジャー(Welcome Stranger)71キロです。

                        
アレクサンドライト(金緑石)
1834年、ロシアのウラル山脈東側のトコワヤで発見されました。発見当初はエメラルドと思われていましたが、すぐに昼の太陽光下では青緑、夜の人工照明下では赤へと色変化をおこす他の宝石には見られない性質が発見され、珍しいとして当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上されました。皇帝に献上された日が、皇太子アレクサンドル2世の誕生日だったため、 この珍しい宝石にアレキサンドライトという名前がつけられたとされています。



デボンシャー・エメラルド 
1384カラットで、世界一大きなエメラルド原石として知られています。コロンビア産で、1831年にブラジル皇帝ドン・ペドロ1世より、第6代デヴォンシャー公・ウィリアム・カヴァンディッシュに贈られたため、こう呼ばれています。

メデゥーサ、2009年
ザンビア産エメラルドの原石は丸みを帯びているため、オーバルカットに研磨されます。

エメラルド コロンビア産
現在のエメラルドの主要産地はコロンビアで、世界のシェアのおよそ50%を占めています。ザンビアが約20%、ブラジルが15%、次がジンバブエといわれています。コロンビア産エメラルドは、原石が六方柱形で産出するものが多いのが特徴です。この原石の特徴を生かして、周囲に皮のようについているグリーンの層を残し、また重量を保つために、通常の場合エメラルドカットに研磨されます。宝石の形はこのように原石の形に制約されることが多く、ダイヤモンドでもペアーシェイプカットやマーキスカットは、天然の与えてくれた原石の形を生かして目減りを最小限にするような方向で研磨されているのです。

オパール
1949年 オーストラリア産 131カラット

プラチナ・ナゲット
1875年 ロシア・ウラル山脈産 プラチナはこの広い地球上でも南アフリカ共和国などの限られた地域でしか産出されません。採れる量も少なく、有史以来、人類が手にしたプラチナをすべて合わせてもたったの6,000トンほど。ゴールドの1/30の量でしかありません。

インペリアル・トパーズ
1832年、ブラジル産、様々な色を持つトパーズの中でもやや赤みを帯びたイエロー、ゴールデンカラーのタイプをインペリアルトパーズと呼びます。一時期、アメジストを加熱したシトリンクォーツがゴールデントパーズの名で大量に流通し、市場が混乱したことがありました。その混乱を収める為に、当時のブラジル皇帝であるペドロ2世に因んでインペリアル(皇帝)の名が使われるようになったそうです。


アクア・マリン
緑柱石のうち透明でスカイブルーの色調のものの宝石名



 スコットランドのコイノール・ダイヤモンド、 1878年 ブラジル

このコロンビア原産の1384カラットのエメラルドの結晶(Crystal of Emerald)は、1831年にデボンシャー公爵が、ブラジル皇帝ドン・ベドロ1世から買取り、英国に持って来られました。

光り輝くダイヤモンドは1910年代にカルチェによりカット(47.69カラット)され、ペンダントになりました。原石は1869年に英国領だった南アフリカの羊飼いによって発見され、彼は引き換えに、羊500頭、牛10頭、馬1頭を受け取りました。

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