2016年12月2日金曜日

絶滅種 ドードー鳥

「不思議な国のアリス」に登場するドードーは、想像上の鳥ではなく、インド洋上のモーリシャス諸島に実際に生息していた鳥です。
モーリシャス島は大航海時代にヨーロッパ人によって発見され、インドへ向かう重要な寄港地として利用されました。飛ぶことも速く歩くこともできなかったドードーは入植者の食料になったり、見世物としてヨーロッパに送られるために乱獲され、1681年に絶滅してしまいました。この絵は1626年にオランダ人画家ルーラント・サーフェリーによって描かれたドードーです。

後にドードーは地球上の他の地域にはいない種だと判明しますが、その頃はすでにドードーはわずかな骨だけを残し絶滅していました。これはロンドン自然史博物館にある骨格標本です。


 これはロンドン自然史博物館にある復元模型です。オックスフォードのアシュモリアン博物館に博物学者のジョン・トラデスカントによって収蔵されていた唯一の剥製がありましたが、保存の仕方が悪く1755年に焼却処分になってしまいました。

ドードーという名前はポルトガル語で「間抜け」の意味のDuodoから来ているといわれており、生物学者のリンネまで間抜けなドードーという意味のディドゥス・イネプ トゥス(Didus ineptus)という学名をつけています。勝手な人間によって「まぬけ」と呼ばれ、絶滅させられてしまったドードーはハリーポッターにも登場します。

これはオックスフォード大学博物館(University Museum in Oxford)にある1651年にヤン・サーフェリーによって描かれたドードーの絵です。「不思議な国のアリス」の作者のルイス・キャロル(本名ドジソン)はオックスフォード大学の数学の教授でしたので、この絵を見る機会がありました。どもり癖があり、自分の名前を「ドー、ドー、ドジソン」と言っていたルイス・キャロルは、このドードーに親しみを感じていたと思われます。
ちなみにルイス・キャロルというペンネームは、本名のチャールズ・ラトウィッジをラテン語化 (Carolus Ludovicus) した後に順序を入れ替え、さらに英語化したものです。

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