2020年12月25日金曜日

今年印象に残ったクリスマス・デコレーション

今年印象に残ったクリスマス・デコレーションは

 バークレー・スクエアで見た建物全体がツリーになったもの。

キリストの生誕 生まれたのは馬小屋でなく牛小屋

クリスマス・シーズンになると、あちこちでよく見かける「キリスト生誕」の絵。正確には降誕(the nativity)と言うらしいです。ヘロデ王の時代、人口調査のために、ヨセフは身重の許婚のマリアと共にナザレの町から故郷のベツレヘムに帰ります。その時マリアが産気付き、家が混んでいたため、家畜小屋でイエスを生み、飼い葉桶にイエスを寝かせました。このシーンには、牛・ロバ・羊が登場します。生まれた場所は、馬小屋ではなく、牛小屋だったみたいです。ロバはマリアが乗ってきたもので、羊は羊飼いが連れてきたものでしょう。

ナショナル・ギャラリーにあるボッチチェリの「神秘の生誕」。天使が羊飼いに救世主が生まれたことを伝えたので、彼らも生まれたばかりのイエスを訪ねてきます。また、当方の三博士が、星に導かれてイエスを礼拝しに訪れ、黄金・乳香・没薬を渡します。・・・というお話を頭に入れて、宗教画を見ましょう。

キリストの生涯

ロンドン・ナショナル・ギャラリーの絵を使ってキリストの生涯についてまとめてみました。
大天使ガブリエル(左)がマリアのもとに来て、神の子を身ごもることを告げます。

マリアはベツレヘムの宿屋の家畜小屋で男の子を出産します。赤ちゃんは飼葉桶に寝かされて、イエスと名づけられました。

その夜、ベツレヘムの近くで羊の夜番をしていた羊飼いたちのもとへ天使が現れ、メシアの誕生を告げました。彼らは早速ベツレヘムに向かい、誕生のお祝いを述べました。

未来のユダヤ王が誕生したという星の知らせを受けて、東方の3博士たちはエルサレムを訪れていました。そして星に導かれてベツレヘムにたどり着きます。彼らは、聖母に抱かれたキリストに、黄金、乳香、没薬を贈ります。

キリストの誕生から40日が経過して、マリアはキリストを抱き、ヨセフと共にエルサレムの神殿に赴きました。「救世主を見るだろう」と予言されたシメオンという男が来て、イエスを抱きました。

ユダヤのヘロデ王は「未来のユダヤ王誕生」の知らせに激怒して、ベツレヘム地方の2歳以下の男児を殺すよう命令しました。

「幼子を連れてエジプトへ逃れなさい」という天使のお告げにしたがって、マリアとヨセフはイエスを連れて、エジプトに避難しました。

ヘロデ王が亡くなると、イエスはイスラエルに帰ってきて、ナザレで成長しました。

12歳の時、過ぎ越しの祭りを祝うためにエルサレムに行きましたが、家族とはぐれてしまいました。両親がようやく神殿の中でイエスを見つけた時、彼はユダヤの学者たちと語り合っていました。

ヨハネの洗礼を受けにヨルダン川のほとりに向かいました。

洗礼の後、イエスは修行をしたり、奇跡を行ったりしました。ガラリアのカナという村の婚礼に行ったとき、ワインが足りなくなったので、甕に入った水をワインに変えました。

ユダヤの学者たちが、キリストの前に不義をはたらいて捕らえられた女を連れてきました。「この女は石打ちの刑でしょうか」。キリストは答えました。「あなた方の中で罪のないものが、まず石を投げなさい」。彼らは無言で帰って行きました。

マグダラのマリアの弟のラザロは死んでから4日たっていましたが、イエスが「ラザロ出てきなさい」と呼びかけると、全身を布に巻かれたラザロがよみがえりました。

マルタとマリアが家にイエスを迎え入れたとき、マルタはかいがいしく世話をしているのに、マリアはキリストの話を聞いているだけで手伝いません。文句を言うマルタに対し、イエスは神の言葉に耳を傾ける方が大切と言います。

イエスと弟子たちは過ぎ越しの祭りにエルサレムに入ります。神殿に行くとそこには両替商人の店や、巡礼が奉納するための羊や鳩を売る店でごった返していました。イエスは激しい怒りに駆られ、縄で鞭を作って、それをふるって屋台を叩き壊しました。

最後の晩餐の前にイエスは弟子たちの足を洗い始めました。足を洗うのは召使の仕事なので、ペテロは拒みましたが「あなたを洗わなければ私の仲間ではないことになる。」と言われ、「それでは足だけでなく、手も頭もお願いします。」と言い返しました。

過ぎ越しの祝いの食事が始まりました。イエスはパンをもって「食べなさい。これが私の体です」ワインをもって「これが私の血です」と弟子たちに言いました。食事の半ばに「あなた方の一人が私を売り渡すだろう」と言います。

晩餐の後、イエスはオリーヴ山に弟子のペテロ、ヤコブ、ヨハネとやってきました。イエスは天に向かって祈りました。弟子たちは眠り込んでいます。向こうからユダが兵士たちを引き連れてやってきます。

ゲツセマネの園で逮捕されたあと、大祭司カヤパの前で尋問にかけられ裁かれます。カヤパの背後にいる男たちがイエスに不利な証言をしますが、イエスは黙っていました。

ユダヤ人たちはキリストの身柄をユダヤのローマ総督ピラトのもとへ送り、最終決定を迫ります。ユダヤ人の圧力を無視できないピラトは手を洗ってかかわりのないことを示しました。

イエスは着衣をはがされて、柱に両手首を縛られて、鞭で打たれました。

ピラトは群衆の前に姿を現し、「この人を見よ(Ecce Homo)。あなた方が十字架につけるがよい。私には彼に罪は認められない。」と言いましたが、ユダヤ人の祭司たちには逆らえませんでした。

イエスは緋色の着物を着せられ、荊の冠を被せられました。イエスはピラトの公邸から処刑地のゴルゴダの丘まで十字架を背負わなければなりませんでした。鞭打ちなどで消耗していたイエスは何度もつまずき倒れました。ヴェロニカが彼の汗を拭っています。

悲しみを湛えたキリストの姿。


ゴルゴダの丘に辿り着いたイエスは兵士たちから衣を剥ぎ取られます。そして、十字架にかけられ、手足に釘を打たれています。

ピラトは「ナザレ人イエス、ユダヤ人の王」と書かれた札を十字架に添えました。イエスは天を見て「神よ、なぜ私をお見捨てになったのですか」と言いました。兵士が槍で脇腹を突き、イエスは絶命しました。

アリマタヤのヨセフが、遺体を引き取ることを許されました。彼らは磔の釘を抜き、十字架からキリストの遺骸を抱かえ下ろしました。それを見守っているのは聖母マリア、マグダラのマリア、聖ヨハネです。

死んだわが子を見て悲しむ聖母マリア。足元で悲しんでいるのはマグダラのマリア。

アリマタヤのヨセフとパリサイ人のニコデモは、ゴルゴダの丘の麓にある小さな園にある墓にイエスを運びました。

イエスが死んで3日目のことです。番兵たちはすっかり眠りこけている中、イエスは墓から立ち上がりました。

泣いていたマグダラのマリアが振り向くと、後ろにイエスがいました。駆け寄るマリアに「私に触ってはいけない(Noli me tangere)。まだ父のところに上がってはいないのだから」と言います。

復活の日、二人の弟子たちがエルサレム近郊のエマオ村へ向かいました。途中で一人の男に会います。日が暮れたころ村にたどり着いた弟子たちは、男を夕食に誘います。男が食卓でパンに祝福を与えて裂いて彼らに渡した時、二人はこれまで見えていなかった心の目が開き、彼がキリストであることを知りました。

使徒たちが戸を閉ざして集まっていたところにもキリストは現れましたが、トマスは居合わせませんでした。「脇腹の傷跡に指を差し入れてみるまで、私は信じない」と言っていたトマスの前に、8日後にキリストが現れ「さあ、指を差し込んでみなさい。私を見たから信ずるのか。幸いなのは見ないで信ずる者たちだ」と言いました。

復活から40日がたち、多くの人々の前に出現したキリストも天に召される時が近づいていました。オリーブ山の上、使徒たちが見守る中、キリストは天に昇って行きました。

2020年12月24日木曜日

クリスマス・ツリー

トラファルガー広場には毎年ノルウェーのオスロ市から送られるクリスマスツリーが立っています。飾りつけもノルウェー風らしく、地味ですね。

こちらはコベントガーデンのクリスマス・ツリー。ヨーロッパのクリスマス・ツリーは、モミの木(Abies Firma)ではなく、ドイツトウヒ(Picea Abies)が主流なのだそうです。

ヴィクトリア女王の旦那様であるアルバート殿下が、英国に初めてクリスマスツリーを飾るというドイツの習慣を伝えたのだそうです。

2020年10月31日土曜日

ハロウィン

10月31日はハロウィンです。

日本ではたくさんの人がコスプレを楽しむ日になっているみたいですが・・・。、

もともとは古代ケルト人の宗教行事で、

10月31日に死者の霊が家族を訪ねてくると信じられており、

悪霊から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いて過ごしました。

今は、くりぬいたカボチャの中に蝋燭を立てたジャック・オ・ランタンをつくり、

魔女やお化けに仮装した子供たちが近くの家を訪ねて

 「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないと悪戯するよ)」と唱え、

もらったお菓子を持ち寄って

ハロウィン・パーティを開く、

楽しい日になっています。