2009年6月8日月曜日

ハンプトン・コート宮殿 メアリ2世のアパートメント

メアリ2世のアパートメントは、夫のウイリアム3世とともに共同で国を治めていたメアリのためにクリストファー・レンによって建設されました。現在は、1716年から1737年にかけて、キャロライン王妃が賓客をもてなしたり、嘆願を受けたり、宮廷の宴 を催したりしたときの様子を復元しています。はじめの部屋は女王の近衛兵室です。不審者が女王に近づかないように監視する衛兵が詰めていました。マントルピースにはグリンリング・ギボンズ作の衛兵の彫刻が施されています。

今年はヘンリー8世戴冠500年を記念して、本物の16世紀のタペストリーを使って、当時の最高級のブリッセル製タペストリーについての説明が毎時行われています。

タペストリーに使われている糸の説明。

金糸の拡大図。糸に本物の金が巻きつけてあります。

強い縦糸に、色がついた横糸で模様を編みこんでいきます。

現在の修復作業の様子。

次の部屋は女王の謁見室です。ヴァンブラのデザインによる暖炉が目立ちます。

玉座が置かれていましたが、実際に謁見は奥の部屋で行われました。

パブリック・ダイニング・ルームは、ジョージ2世とキャロライン王妃が宮廷の人々に見守られながら食事をした部屋です。大理石のマントルピースはグリンリング・ギボンズ作。


女王の接見室で、キャロライン王妃は賓客や嘆願者に接見しました。天蓋はその時代のものです。17世紀のトルコ絨毯もお見逃しなく。

タペストリーは「使徒行伝」から「キリストの説論切論を受ける聖ペテロ」です。

女王の応接室は宮殿の東側中央に位置する部屋で、庭園内のイチイ並木と、長大な運河が一直線に見下ろせるように、クリストファー・レンが設計しました。

壁にはアン女王の夫で、海軍司令官だったジョージ殿下の肖像が描かれています。

壁画はアン女王(在位1702-14)時代に、アントニオ・ヴェリオが描いたものです。

しかしジョージ2世はこの絵を嫌って、1737年に壁を絹のダマスク織りで蔽ってしまい、1899年までヴェリオの壁画が見られることはありませんでした。

女王の寝室のベッドは1715年、ジョージ2世とキャロライン王妃のために作られたものです。2枚のタペストリーは「使徒行伝」から「アナナイスの死」と「リュストラの犠牲」です。

クイーンズ・ギャラリーにはアレクサンダー大王の生涯を綴った18世紀のブリュッセル製のタペストリーが飾られています。

キャロライン王妃はこのギャラリーを大臣との極秘の会見や、カード遊びなど娯楽を楽しむ場所として使用していました。宮廷内にはあちこちに隠し扉があります。

大理石のマントルピースの両側にあるデルフト焼きのチューリップ差しは、1690年代にウイリアム3世とメアリ2世のために作られました。

最後の部屋は女王の書斎です。奥の扉でウイリアム3世の書斎とつながっています。

メアリ2世のために作られたといわれる刺繍のパネルは、当時と同じ形で飾られています。

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