2010年3月12日金曜日

ヘンリー8世のアパートメンツ

ハンプトン・コート宮殿で一番目立つ建物は、グレート・ホールです。

長さ32メートル、幅12メートル、高さ18メートル、ハンプトン・コート最大の部屋です。

ここは宮廷で働く600人のスタッフが食事をする大食堂として使われていました。

毎日2食、1回300人ずつ、食事が用意されました。

ゴシック様式の装飾天井は 見事です。

ホールのタペストリーはヘンリー8世が1549年代にブリュッセルの織物職人に命じて作らせた「アブラハムの物語」で、このホールのために特別に注文されました。

旧約聖書のアブラハムの一生の重要な場面が表されています。

隣のグレート・ウォッチング・チェンバーは、宮廷高官の食事室として使われていました。天井の装飾とタペストリーはヘンリー8世の時代のままです。

ここのタペストリーも16世紀の貴重なものです。

これは召使が待機した部屋です。

廊下には、

ハンス・ホルバインによるヘンリー8世の肖像画が飾られています。

こちらはデンマークのクリスチーナ。ヘンリーの4番目の妃候補でした。

神聖ローマ帝国のカール5世と、フランス国王フランソワ1世。

こ ちらは「ホーンテッド・ギャラリー」と呼ばれる廊下です。ヘンリーの5番目の王妃キャサリン・ハワードの幽霊が出るのだそうです。1540年にヘンリーと 結婚したキャサリンは、翌年不義の疑いでハンプトンコートに軟禁されました。ある日キャサリンは監視の目を盗んで自室を抜け出し、この廊下を走り、王がい る礼拝堂を目指しましたが、扉の一歩手前で監視兵に捕まり、泣き叫びながら自室へと連れ戻され、その後ロンドン塔で処刑されました。

ほら、幽霊がいます。

時々、こうやってヘンリー8世が王妃を連れて歩いています。

面白いでしょう?

廊下には「ヘンリー8世とその家族」(1545)という、ここに飾るために描かれた絵があります。中央にヘンリーと一緒にいるのが3番目の王妃ジェーンとエドワード王子で、その両側にメアリ王女とエリザベス王女が描かれています。

これは、ヘンリーのお父さんとお母さんとお祖母さんの肖像画。

ヘンリーのたった一人の息子であったエドワード6世。

のちに大英帝国の基礎を築いたエリザベス1世も、ヘンリーの娘です。

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