2007年5月4日金曜日

知られざるモネ

モネといえば印象派の代表。光を描いた画家として有名です。

現在、東京六本木の国立新美術館でも「大回顧展モネ」をやっていますが、そちらに有名な作品が行ってしまったせいでしょうか、ロイヤル・アカデミーの「知られざるモネ展」は、地味~な展示品ばかりです。が、玄人受けするのはこちらでしょう。なんたって、「知られざる・・・」ですから。

印象派の画家は、キャンパスを持って屋外に出かけて絵を描きました。特にモネは太陽とスピードを競うように、光の変化を描くことができる画家として有名でした。瞬時の印象をとらえる外光派の画家、という表向きのイメージをつくるため、「反デッサン派」を装っていたみたいです。「スケッチブック?なにそれ」と言ったとか、言わなかったとか。

が、しかし、実際、モネは生涯に渡ってデッサンを続けていたそうです。旅行に出かける時はスケッチブックをポケットに入れ、チョークやパステルで綿密にスケッチを繰り返していたそうですよ。

それで、今回、ロイヤル・アカデミーに鉛筆やチョークやパステルによるデッサンを初めて、一堂に展示したのだそうです。なんだか、本人が隠したかった過去を暴露してしまった気がしないでもないのですけど・・・。

現在は風景画家として有名なモネは、若いころ風刺画家だったそうです。意外と人間の特徴をとらえるのがうまかったようで、有名人や地元ルアーブルの名士の風刺画を描いては一枚20フランで売っていたそうです。忠実な描写への執着があったからこそ、人生の後半で、それと決別できたとのことでした。ふ~ん、やっぱり基本は大切なんですね~。

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