2007年5月21日月曜日

カティー・サーク

グリニッジのランドマーク的存在だったカティー・サーク号が燃えてしまいました。

カティー・サーク号は、1869年にスコットランドで造られた帆船でした。1870年から78年まで中国からお茶を運び、1883年から95年まではオーストラリアから羊毛を運んで来ました。オーストラリア・イングランド間67日という、帆船としては最も早い記録もつくっています。

カティー・サークの意味は、帆先に彫刻された魔女が着ていた短いシミーズのことです。

この魔女のことを説明するには、タム・オシャンティーの話をしなければなりません。タムは農夫で、友人と飲んでいて帰りが遅くなってしまいました。灰色の馬に乗り、道を急いでいると、教会の庭で魔女たちが踊っているのが見えてきました。ほとんどの魔女は醜かったのですが、ひとりだけ若くて美しい魔女がいました。彼女はカティー・サーク(短いシミーズ)しか着ていませんでした。タムは怖くなって、急いで橋の方に馬を走らせました。魔女は川を超えることができないという伝説があるからです。後ろからカティー・サークを着た若い魔女が追いかけてきて、橋を渡ろうとした所で追いつかれました。危機一髪のところで、タムは無事に橋を渡ることができましたが、彼女は馬のしっぽをつかみ、引きちぎりました。

足の速い魔女を穂先につけて、当時一番早い船として全世界に知られていたカティー・サーク号。新しいカティー・サーク号を造る計画もあるそうですが、もう本物は戻ってきません。

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