2007年5月20日日曜日

リスティッド・ビルディング

イギリス人は変化を望まない国民のように思われていますが、19世紀に工業化、都市化、交通網の発達と、世界で一番初めに急激に変化した国なのです。20世紀になって発展のスピードが落ち着き始めたころ、生産から、生活の質への転換が始まります。発展のために犠牲にしてきた、住環境や歴史的遺産を大切に考えるようになりました。

今週の水曜日に仕事でコッツウォルズのパブに食事に行くのですが、インターネットで場所を調べていたら、そこはグレードⅡのリスティッド・ビルディングでした。1971年から始まった全国建築物検査によってリストアップされた重要性がある建物のことをリスティッド・ビルディングといいます。グレードⅠ、Ⅱ、Ⅲとあり、その重要性を決める基準は、1840年以前の古い建物のほとんどと、建築的、社会的に特別な価値があるものだそうです。水曜日に行くパブは1720年のジョージアンの建物だそうですから、もう完全に時代物ですね。

リステッド・ビルディングに指定された建物の持ち主はそれを誇りに思い、不動産価値も上がることが多いそうですが、改築・増築には、地方自冶体の許可が、取り壊しには環境庁の許可が必要で、許可を得ないと違法になり、刑罰が処せられるそうです。また、建物の保存状態が悪い場合には、当局から警告を受け、没収される場合もあるのだそうです。

私の知り合いの日本人がグレードⅠのお城に住んでいましたが、「自分の家なのにペンキも塗れないのよ~」と嘆いていました。まあ、普通の人はそういう家に住むことはないと思うので、心配する必要もないのですけど・・・。

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