昔の処刑場跡に建つThe Hung Drawn and Quartered(首吊り・内臓抉り・四つ裂き)という名前のパブの前を通って、
ミンスター・コートへ。
デズニー映画「101匹のワンちゃん」で
悪者役のクルエラ・デ・ビルの本部として使われた建物です。
ロイズ保険会社。リチャード・ロジャーズの設計。
ロイズ保険は1688年に開かれた船舶情報の集まるコーヒーハウスから始まりました。保険の引き受けが始まるころはロンバード・ストリートにありましたが、業容が拡大して保険市場に専念すると王立取引所に移ります。20世紀初頭、旧東インド会社のあった現在の場所に移転します。
建物の中心には有名なルーティン・ベルがあります。海難事故などの悲報には一回、無事帰還などの吉報には複数回、鳴らされるのが伝統です。タイタニック号沈没のときには悲報として、また、アポロ8号や11号の無事帰還の際は吉報として世界に向けて鳴らされました。
シティーで一番目立つ建物はガーキン(きゅうりのピクルス)です。ノーマン・フォスターの設計で、2004年に完成しました。
住所は「聖メアリー斧通り
30番地」。斧通りの名称は敷地の南隣に1561年まであった「聖メアリー斧教会」に由来します。伝説によれば、4世紀ごろ、イングランド南西部にあったブリ
トン国の娘が異教徒との結婚を命じられ、婚礼前に1万1000人の乙女を引き連れローマ巡礼の旅に出ます。ところが道中、ドイツ・ケルン市で騎馬民族のフン族に襲われ、全員死亡。王女は聖人ウルスラとなり、そのとき使われた3本の斧のうちの1本を聖遺物として祀る教会=斧教会が建てられました。
18世紀半ばにヴァージニア &
バルチック・コーヒーハウスができ、船積運賃を取引したり市況情報を提供するバルチック海運取引所に発展。1992年のアイルランド共和軍テロ爆破事件で取引所の建物が破壊されて北隣に移転、元の場所にガーキン
が建てられました。
隣の教会は聖アンドリュー教会。ジョン・ストウが埋葬されています。シティの仕立て商組合に奉公していましたが、ロンドンの建築物、社会状況、慣習などを細かく調べ上げ、地図を添えてロンドンの歴史の本を書きました。聖アンドリュー教会内部には、机に向かってペンを持つストウの大理石像があります。命日の4月5日、この羽根ペンがロード・メイヤーによって交換される儀式が3年毎に行われます。
建物の前に置かれている自転車アートは
アイ・ウェイ・ウェイの作品です。
小さなフィギャーは鈴木友昌の作品です。
デミアン・ハーストの作品「チャリティー」
聖へレンズ・ビショップスゲート教会
1210年から続くベネディクト派の女子修道院があった所で、1666年の大火、第2次世界大戦のドイツによる空襲にも耐えましたが、1992年と93年の2回のIRAテロでダメージを受けました。
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