2016年11月29日火曜日

大英博物館 メソポタミア文明 シュメール都市国家時代

紀元前3100年ごろ、メソポタミア南部の河口地域に進出したシュメール人たちは、粘土を日干し煉瓦にして宮殿や神殿を建設。運河や灌漑設備を整備して、人類初の都市国家を築きました。人類最初の文字「楔形文字」も生み出されました。

ウ ルの王墓から出土したウルのスタンダード。(紀元前2600年頃)戦争時に棒の上にのせて軍旗のように使用したか、または楽器の共鳴箱など、諸説ありま す。下地に天然アスファルトを塗り、貝殻や赤色石灰石で図柄を表現。背景をラピスラズリで埋めています。片側は平和の場面でヤギ、牛、魚が集められ、楽師 が演奏する中、王や高官が杯を持つ盛大な祝宴の様子が描かれています。反対側は戦争の場面で、ロバに引かれた戦車が敵を打ち負かし、捕虜が王の前に連行さ れています。

ウルの王墓からは殉死した70人の侍女たちのの装身具が出土しました。王や王妃が死ぬと、侍女たちは金やラピスラズリの装飾が施された頭飾りや首飾りを身につけ殉死しました。
金や宝石に細工が施されているシュメールの装飾品。紀元前2600年ごろ。


ウルの王墓から出土した牡山羊の像。。紀元前2600年ごろ。顔は金、ツノと羊毛は貝殻とラピスラズリ。ヤギが前足をかけている木はナツメヤシ。

銀 製の竪琴は、木の上に銀箔を貼り付けて作られていましたが、現在、木の部分は失われています。銀の牡牛の頭の下に動物を描いた貝殻の飾り板が貼られていま す。調律用のレバーは銀製で、サウンドボックスはラピスラズリと貝殻モザイクに囲まれています。紀元前2600年ごろ。

ウルの王墓から出土したゲーム盤。左上は遊び方の説明書。

「ギ ルガメッシュ叙事詩」の粘土板(紀元前7世紀)の中の洪水伝説が、旧約聖書のノアの方舟の基になったと言われています。ギルガメッシュはウルクの王で、暴 君であったため神はその競争相手として粘土からエンギドを作りました。ギルガメシュがエンギドにシャムハトを遣わせると、2人は6夜7日を一緒に過ごし、 力が弱くなった代わりに思慮を身につけます。ギルガメッシュとエンギドは力比べをするが決着がつかず、やがて2人は友人となり、さまざまな冒険を繰り広げ ることとなります。

フンババはキルガメシュに殺されたレバノン杉の林を守る神話上の怪獣です。多くの冒険の最後に神が起こした大洪水から箱舟を作って逃げることで永遠の命を手に入れたウトナピシュティムに会います。

ウルクの神殿跡から司祭か統治者の祈る姿を現した像。紀元前2500年ごろ。

ラガシュの君主グデアの像。髪を剃り、祈りのために手を握りしめています。紀元前2141~2122年。
ウル第3王朝の王ウル・ナンムの姿をかたどった楔釘形の神殿定礎像。日干し煉瓦の入ったバスケットを頭上に載せて運ぶ伝統的な職人風スタイルで現されています。紀元前2112~2095年。

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