2017年11月6日月曜日

ロスチャイルド銀行と金相場

 Rothschild (N.M.) & Sons


マーチャント・バンクの中で最も有名なのがロスチャイルド銀行です。


ロスチャイルド家に5人の兄弟は、フランクフルト、ナポリ、ウイーン、パリ、ロンドンで銀行家となり、それなりの成功を納めました。ロンドンのネイサンは、ナポレオン戦争で巨万の富を築き、後継者のライオネルが更に発展拡大させました。パリのロッチルド家も成功したが、ナポリは1861年、フランクフルトは1901年、そしてウイーンは1937年、ヒットラーのオーストリア侵攻時に廃業しました。現在もロンドン、パリのロスチャイルド家は緊密な関係を維持しています。

ロスチャイルド家やマーチャント・バンキングの内容は外部からはほとんど知られていません。パートナーシップであるため情報開示はなく、ロスチャイルド家もその実態を外部に公開することはありませんが、現在でもその拠点はシティーにあり、銀行の建物には五つの矢が下向き(フランスのロッチルドは上向き)に束ねられた家紋があります。
 
戦前戦後を通じて、南アフリカで産出される莫大な量の金がロンドン経由で売却されたので、金市場として君臨しました。かつて、ロスチャイルド銀行の二階にある「黄金の間」で世界の金相場が決められていましたが、2004年に廃止され、、現在はロンドン貴金属市場協会(LBMA,London Bullion Market Association)という、約60社で構成する英国の金取引の業界団体の主要会員9社が、1日に2回、金と銀の取引価格を持ち寄って、その日の金銀の平均価格を算出し、これが世界的な金相場となります。LBMAの値決めにたずさわる9社は、米英が2社ずつ、独仏日カナダ・スイスが1社ずつで、G7と似た構成国になっている。日本は、三井物産の貴金属取引子会社が値決めに参加し、数社の商社が一般会員になっています。

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