2017年12月27日水曜日

V&Aの彫刻で見るギリシャ神話の世界

ウエッジウッドの有名な陶器の壺に描かれている女性は海のニンフのテティス。裏側に描かれているテッサリア王のペレウスが彼女にプロポーズしに行くところです。彼らはめでたく結婚し、アキレスという男の子が生まれます。

母 テティスは、アキレスの不死を願って、生まれたばかりの彼を冥界の川の水に浸しました。しかし、踵とをつかんでいたため、そこだけが不死の水に触れずに、 彼の弱点として残ってしまいました。これがアキレス腱の由来です。その後、彼は武術ばかりでなく、竪琴も上手な立派な青年に成長します。

トロイ戦争はギリシア軍として参戦、戦況はギリシア軍優位になりますが、最後にアポロに導かれたトロイアの王子パリスの放った矢がアキレスの踵を射抜いてアキレスは死んでしまいます。

三美神は、ジュピターの娘たちで、タレイア(花の盛り)、エウプロシュネ(喜び)、アグライア(輝く女)とされています。3人の女神が手を取り合い、中央の一人が背を向けるという古典的な形式(ポンペイ壁画にもある)が主流です。

アポロの双子の妹で、月の女神ダイアナ。獲物を求めて森の中を駆け巡る狩人としてのイメージが定着しています。純潔にこだわり、異性を寄せ付けないばかりか、従うニンフたちにも処女であることを守らせています。

海の神ネプチューンは、三叉の矛を持ち、海獣を従え、髭を蓄えた姿で表現されています。普段は海底の宮殿に暮らしています。息子のトリトンは人魚で、ほら貝を高らかに吹き鳴らし、荒れた海を沈めることができます。

ジュ ピターはバルカンに人類最初の女性パンドラ(旧約聖書のイヴと同一視されています)を泥土から造らせました。彼女は神々から贈り物を授かりますが、パンド ラが箱を開けた途端、地上にあらゆる禍が飛び出してきました。あわてて箱の蓋をしましたが、残ったのは「希望」だけでした。


ジュ ピターはスパルタ王妃レダに恋し、白鳥に姿を変えて思いを遂げます。そしてレダが生んだ卵から生まれてきたのがヘレネでした。彼女は美しく成長し、メネラ オスを婿に向かえスパルタ王妃になっていましたが、トロイアの王子パリスが彼女を強奪し、トロイアに連れて帰りました。こうして神々や英雄たちを巻き込ん だトロイア戦争が始まったのでした。この彫刻はカノーヴァ(1757~18220)という有名な彫刻家が作成した絶世の美女ヘレネです。

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