クイーンズ・アパートメンツでは、1716年から1737年にかけて、キャロライン王妃が賓客をもてなしたり、嘆願を受けたり、宮廷の宴を催したりしたときの様子を復元しています。
女王の階段にある大きな絵はホントホルシュトが1628年に描いた「ジュピターとジュノーに科学教養を披露するアポロとダイアナ」で、アポロはチャールズ1世をダイアナはヘンリエッタマリア妃を現しています。
現在の女王の謁見室は飾り気がありませんが、元は天蓋と玉座が置かれていました。
マイテンズ「チャールズ1世とヘンリエッタ・マリア」(1630-32)
パブリック・ダイニング・ルームは、ジョージ2世とキャロライン王妃が家臣らに見守られながら食事をとった部屋です。
ルーベンスとスナイダーズ「サテュロスと眠る妖精」(1618-30)
スナイダーズ「猪狩り」(1653)
ルーベンスとスナイダース「ダイアナとニンフ」(1616)
リッチ「キリストを信じている女性」(1724)
リッチ「キリストの足を洗うマグダラのマリア」(1720-30)
リッチ「キリストとサマリアの女」(1720-30)
リベリ「三美神」(1670-80)
リベリ「神話的主題」(1660-65)
謁見室はキャロライン王妃が外国からの賓客や、嘆願者と接見した部屋です。
タペストリーはラファエロが下絵を描いた「使徒行伝」です。
暖炉の上の絵はジェームズ1世の妃で1619年にハンプトン・コートで亡くなったデンマークのアンの肖像画です。
オランダのデルフト焼のチューリップ差しは、すべて1690年代にメアリ2世のために作られたものです。
次の応接室は宮殿のちょうど中央に位置します。
ここは女王が宴や娯楽を主催する場に使われました。
宮廷の貴婦人たちがトランプなどに興じている中を王妃は歩き回って夫人たちと言葉を交わしました。
壁画と天井画はヴェリオによるもので、アン女王の依頼で女王の夫の海軍指令長官ジョージが描かれています。
ジョージ2世はこれを嫌って、1737年に壁を絹のダマスク織で蔽ってしまい、1899年まで隠れていました。
女王の寝室にあるベッドは1715年にまだ皇太子夫婦だったジョージ2世とキャロライン妃のために作られたものです。タペストリーはラファエロが下絵を描いた「使徒行伝」から2枚です。
ここにもデルフト焼のチューリップ差しがあります。当時チューリップはとても高価で、これだけたくさんのチューリップを飾ることができるのは、権力の証でした。
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