宮殿の南側、一番日当たりがいい場所にあるのは、キングス・アパートメンツ。1700年のウイリアム3世の宮廷を再現しています。
クロック・コートから入り、
イタリア人画家アントニオ・ヴェリオによる壁画と天井画を見ながら階段を上ります。
窓からプレヴィ・ガーデンが見えます。プレヴィ=プライベートの意味で、王様に招待された人しか入ることができない庭でした。
王の謁見室。天蓋は1700年に作られたものです。
暖炉の上の中国磁器は正真正銘の古美術品です。地震が無い国だからできる危ない置き方です。
ネラーによる「ウイリアム3世」の肖像画。背が低く、猫背で、出っ歯だった王様も、馬に乗せ口を閉じれば、カッコいい白馬の騎士に変身します。
王の食事室はウイリアム3世が宮廷の家臣に見守られながら食事を取った部屋です。
タペストリーは、ラファエロが下絵を描いた「使徒行伝」から2枚です。
扉の向こうのコミュニケーション・ギャラリーを通って、礼拝堂に行けるようになっています。
王の執務室では、外国の大使の謁見や、宮廷の政務などが執り行われました。
ボヘミア王妃エリザベートはチャールズ1世の姉です。
ここはキングズ・アパートメントのちょうど中央の部屋になります。
王の応接室は、宮内長官、閣僚、政府高官など限られた人しか出入りを許されていませんでした。
オランダ王ウイリアムは、英国王室の血を引いていることを証明するために、祖父であるチャールズ1世の肖像画を飾っていました。
チャールズ1世のすぐ下にあるのは、ヴァン・ダイクによる「プリンセス・メアリ」の肖像画です。王室が最近(2008年)購入したものです。メアリはチャールズ1世の娘であり、ウイリアム3世の母でした。
王の大寝室は、朝の着替えの時に、特権階級だが謁見を許される部屋です。
暖炉の上の絵はメアリ2世の母アン・ハイドの肖像画です。
天井画は夢と眠りの神であるモルペウスの腕に抱かれて眠るエンデュミオン。
小寝室は実際に王が寝起きした部屋です。
当時の記録を元に手織りのシルクの家具を再現しています。
マントルピースの上には中国と日本の陶磁器が(かなり危ない置き方で)置いてあります。
天井画はヴィーナスの膝で眠る戦いの神マルス。
王の書斎はプライベートな書斎で、書き机は実際にウイリアム3世が使っていたものです。
17世紀の便器は、チャールズ2世のために作られました。
グランド・フロアの部屋は、王のプライベート・アーパートメンツでした。椅子は1700年ごろウイリアム3世のために作られたものです。
ヴァン・ダイク「馬に乗ったチャールズ1世」(1636)
コレッジオ「聖家族と聖ヒエロニムス」(1519)
コレッジオ「本を読む聖カタリナ」(1532)
ドッシ「聖ウイリアム」(1515)
中央の間は、王の寝室として使われていたと思われています。
ロマーノ「馬に乗ったシーザー」(1539)
ヴェセリオ(ティシャンの弟)「ルクレチア」(1530)
ロマーノ「馬に乗ったシーザー」(1539)
机の上には、夜をテーマにした暗い絵が飾られています。
西の間もプライベートな書斎だったと思われます。
暖炉の上のパネルには楽器の彫刻が施されていることから、音楽室だったのではないかという説もあります。
ウイリアム3世の時代のまま、壁の高い位置の横木からシルクのリボンで絵を吊るしています。
サヴォルド「鷹を持った男の肖像」(1515)
ヴァン・ダイク「幼いキリストと洗礼者ヨハネ」(1639)
ヴァン・ダイク「マーガレット・レモン」(1638)
フェティ「エリヤの犠牲」(1622)
グエルチーノ「聖母子と聖ヨハネ」(1630)
オランジュリーは昔、オレンジの木を冬の間に寒さから守った温室でした。
王の応接室は、ウイリアムがプライベートに賓客をもてなすのに使われました。
王のプライベート・ダイニング・ルーム。テーブルの上には当時高価だった砂糖菓子が山のように積まれています。
壁を飾る絵はネラーによって描かれた「ハンプトン・コートの美女たち」と呼ばれるメアリ2世の宮廷女官たちの肖像画です。
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