ハンプトン・コート宮殿で一番目立つ建物は、グレート・ホールです。
長さ32メートル、幅12メートル、高さ18メートル、ハンプトン・コート最大の部屋です。
ここは宮廷で働く600人のスタッフが食事をする大食堂として使われていました。
毎日2食、1回300人ずつ、食事が用意されました。
ゴシック様式の装飾天井は 見事です。
ホールのタペストリーはヘンリー8世が1549年代にブリュッセルの織物職人に命じて作らせた「アブラハムの物語」で、このホールのために特別に注文されました。
旧約聖書のアブラハムの一生の重要な場面が表されています。
隣のグレート・ウォッチング・チェンバーは、宮廷高官の食事室として使われていました。天井の装飾とタペストリーはヘンリー8世の時代のままです。
ここのタペストリーも16世紀の貴重なものです。
これは召使が待機した部屋です。
廊下には、
ハンス・ホルバインによるヘンリー8世の肖像画が飾られています。
こちらはデンマークのクリスチーナ。ヘンリーの4番目の妃候補でした。
神聖ローマ帝国のカール5世と、フランス国王フランソワ1世。
こ ちらは「ホーンテッド・ギャラリー」と呼ばれる廊下です。ヘンリーの5番目の王妃キャサリン・ハワードの幽霊が出るのだそうです。1540年にヘンリーと 結婚したキャサリンは、翌年不義の疑いでハンプトンコートに軟禁されました。ある日キャサリンは監視の目を盗んで自室を抜け出し、この廊下を走り、王がい る礼拝堂を目指しましたが、扉の一歩手前で監視兵に捕まり、泣き叫びながら自室へと連れ戻され、その後ロンドン塔で処刑されました。
ほら、幽霊がいます。
時々、こうやってヘンリー8世が王妃を連れて歩いています。
面白いでしょう?
廊下には「ヘンリー8世とその家族」(1545)という、ここに飾るために描かれた絵があります。中央にヘンリーと一緒にいるのが3番目の王妃ジェーンとエドワード王子で、その両側にメアリ王女とエリザベス王女が描かれています。
これは、ヘンリーのお父さんとお母さんとお祖母さんの肖像画。
ヘンリーのたった一人の息子であったエドワード6世。
のちに大英帝国の基礎を築いたエリザベス1世も、ヘンリーの娘です。
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