2007年11月24日土曜日

ピカソの女たち

20歳のピカソの自画像です。暗いですよね~。「青の時代」の作品ですよね~。昨日、テート・モダンで、ピカソは天才だから絵画スタイルをどんどん変えていったという話を聞き、ピカソに興味を持ちました。女性が変わるとスタイルも変わったみたいで、彼の妻やガールフレンドたちの肖像画を見ながら、彼の生涯を振り返ってみました。

23歳~31歳 フェルナンド・オリビエ(Fernande Olivier)
同棲を始めた時、ピカソ23歳、フェルナンド17歳でした。彼女は若きピカソの美の女神で、青の時代から、ばら色の時代へ変わりました。

この時代の作品は「アヴィニョンの娘たち」。当初はフェルナンド・オリビエがモデルだったようです。

31歳~34歳 マルセル・アンベール(Marcelle Humbert)
通称エヴァ(Eva Gouel)。1911年から彼女が病気で亡くなる1915年までの短い期間同棲します。

ピカソはエヴァと付き合い始めた頃キュビスムにはまってました。この絵の題名は「マ・ジョリ(Ma Jolie)」で「私のかわいい人」という意味だそうです。エヴァのことを描いているらしのですけど、これって肖像画なんですか?

36歳~46歳 オルガ・コクローワ(Olga Khokhlova)
1918年にロシア・バレエ団のダンサーだったオルガと正式に結婚しました。

オルガと長男パウロの絵。ロシアの名家出身の彼女は誇り高く、ヌードで描かれるのも、キュビズム風にに変形さえるのも嫌いました。

ピカソにとって妻オルガとの生活は息が詰まりそうでした。実は、テート・モダンにある「3人の踊り子」の絵の真ん中にいる女性はオルガで。右側の茶色と白の人がピカソ、彼と踊っている左側の女性は昔の愛人ジェルメーヌらしいのです。妻から気持ちが離れてしまったことを絵にしたみたいです。

46歳~55歳 マリー・テレーズ(Mrie Therese Walter)
出会った時、ピカソ46歳、マリー17歳。ギリシア彫刻のような顔立ちにピカソが一目惚れしました。

「鏡の前の少女」も、マリー・テレーズをモデルにしています。ふくよかな体は、ピカソが女性に求めたおおらかな母性を示しています。

1935年に娘のマヤが生まれます。お母さんは美人に描かれているのに・・・、小さな子供に、この肖像画はちょっとかわいそうじゃないですか?

55歳~63歳 ドラ・マール(Dra Maar)
1936年から第二次世界大戦後まで交際した、アルゼンチン育ちの写真家です。

1937年4月26日フランコ軍を支援するドイツ軍はスペイン北部の街ゲルニカを爆撃します。この爆撃によって市内の70%が炎上し、たくさんの死者が出ました。パリにいたピカソは5月1日製作に取り掛かります。「ゲルニカ」はパリ万博のスペイン館に展示されました。

62歳~72歳 フランソワーズ・ジロー(Francoise Gilot)
62歳の誕生日から同棲しますが、その時彼女は、画家志望の22歳でした。年の差40歳!

ヌードのフランソワーズを描くうちに、「君は植物みたいだ」と言って描いた作品だそうです。

二人の間にできたクロードとパルマの肖像画。10年間生活を共にしますが、わがままな画家との生活に疲れ、自らピカソのもとを去ります。

72歳~92歳 ジャクリーン・ロック(Jacqueline Roque)
ピカソが死ぬまで20年余りを共に過ごした彼女は、南仏ヴァロリスの陶器工房の店員でした。1961年正式に結婚しました。

これは「接吻」という作品で、ピカソとジャクリーンがキスをしているところを描いた自画像(?)ですが・・・このときピカソは88歳です。気持ち悪いというか・・・、元気だね~というか・・・。ピカソは91歳で亡くなる直前まで、製作意欲を絶やさなかったそうですよ。

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