先週ガイドの勉強会で、ハンプトンコート宮殿でタペストリーの修復などのお仕事をなさっている高見美花さんのお話を聞いてきました。
写真はハンプトンコート宮殿のグレート・ホールです。ここの16世紀のアブラハムの生涯を題材にしたタペストリーは有名です。タペストリーとは綴織りの壁掛けのことで、作成に手間がかかり、とても高価だったので、昔はタペストリーを持っていることは、王や貴族の自慢の種でした。ヨーロッパのお城の石壁に吊り下げると防寒の役目もし、簡単に取り外すことができるので、行事によって絵柄を変えたり、旅行先に持ち運ぶこともできました。
タペストリーの歴史はコプト織り(エジプト)から始まったのだそうですが、中世ヨーロッパではフランドル産のものが量質ともに最高のタぺストリーでした。下絵を描くのは画家の仕事で、有名な画家も下絵を描いています。
タペストリ-は、機に丈夫な縦糸(麻)を張り、そこにさまざまな色に染めた横糸(絹糸、羊毛、金糸、銀糸)を絡めて図柄を作っていきます。幅の広いタペストリーの場合は数人の織り手が並んで共同で作業を進めました。
高見さんのお話で興味深かったのは、彼女の専門である歴史的タペストリーの修理や洗浄についてでした。それにしても、英国王室のタペストリー修復の責任者が日本人だなんてすごいですよね~。
0 件のコメント:
コメントを投稿